富士山に登ってみたい。でも、ルートはどれを選べばいいのか、いつ行けるのか、費用や予約は何が必要か、初心者でも登れるのか、高山病は大丈夫か――。登る前に決めることが多く、情報が多すぎて迷いやすい山です。
富士山は、標高3,776m の日本最高峰で、登山道が開く(開山)のは夏のごく短い期間だけです。通行料(入山料)と、事前の予約・登録が必要です。このページでは、2026年シーズンの公式情報をもとに、登る前に決めることを順番に整理します。
2026年シーズンは9月10日に終了しました。次のシーズンの日程・料金・規制は、公式の発表を待つ必要があり、このページの数字から変わる可能性があります。出発前に、必ず富士登山オフィシャルサイトで最新の情報を確かめてください。
この記事の要点
初めてなら、山小屋がいちばん多い「吉田ルート」が選びやすい(公式の説明)。距離・景色・混雑で、ほかの3ルートも比べて選ぶ。
2026年は、吉田・須走が7月1日、富士宮・御殿場が7月10日から、いずれも9月10日まで。
通行料(入山料)は1人1回4,000円。山小屋の宿泊料金とは別。
吉田ルートは通行の予約・登録が必要。山小屋は予約制で、宿泊予約があれば、入山できない時間帯の規制の対象外。
全ルートで、14:00〜翌3:00は入山できない(山小屋の宿泊者を除く)。公式サイトは、高山病や低体温症の原因になると説明している。
五合目で1時間ほど体を慣らし、ゆっくり登る。症状が重いときは、下山する。
富士山の基本データ
- 標高
- 3,776m日本最高峰
- 所在地
- 山梨県・静岡県
- 登山ルート
- 4ルート吉田・須走・御殿場・富士宮
- 2026年の開山期間
- 7月1日〜9月10日富士宮・御殿場は7月10日から
- 通行料・入山料
- 4,000円1人1回。山梨側は「通行料」、静岡側は「入山料」
- 入山できない時間帯
- 14:00〜翌3:00全ルート共通(山小屋の宿泊予約がある人を除く)
出典:富士登山の前に必ず知っておくこと・YAMAP MAGAZINE「【2026年版】富士山吉田ルートの規制・通行料」(山梨県の担当部署への取材)
富士山の4つの登山ルートを比べる
富士山には、吉田・須走・御殿場・富士宮の4つの登山道があります。出発する「五合目」の標高、歩く距離、標高差、山小屋の数が、ルートごとに違います。
最も人気があり、山小屋がいちばん多い
豊かな樹林帯を歩く
距離がいちばん長く健脚向き。山小屋が少ない
距離がいちばん短いが、急な登りが続く

コースタイムは休憩時間を含まない標準の時間です。出典:富士登山オフィシャルサイト「各登山口と登山ルートについて」
どのルートを選ぶ?
- 初めてで迷うなら吉田ルート:最も人気があり、山小屋がいちばん多いルートです(公式の説明)。山小屋を使った計画が立てやすい反面、人気のぶん、混み合う時期があります。
- 歩く距離を短くしたいなら富士宮ルート:距離はいちばん短い(登り4.3km)ですが、急な登りが続きます。五合目の標高も、4ルートで最も高い2,400m です。
- 樹林帯を歩きたいなら須走ルート:豊かな樹林帯が特徴です。標高差は約1,700m で、吉田より大きくなります。
- 体力と経験に自信があるなら御殿場ルート:距離がいちばん長く(登り10.5km)、標高差は約2,300m、登りは8時間40分かかります。山小屋が少ないため、宿泊の計画は慎重に立てます。
いつ登れる? 2026年シーズンの日程
富士山の登山道は、夏の約2か月だけ開いています。2026年シーズンの日程は、次のとおりでした(公式の「各施設の供用期間」より)。
| ルート | 登山道が開く日 | 閉山 | マイカー規制の期間 |
|---|---|---|---|
| 吉田ルート | 7月1日 | 9月10日 | 7月3日 18:00 〜 9月10日 18:00(富士スバルライン) |
| 須走ルート | 7月1日 | 9月10日 | 7月1日 9:00 〜 9月10日 18:00 |
| 富士宮ルート | 7月10日 | 9月10日 | 7月10日 9:00 〜 9月10日 18:00 |
| 御殿場ルート | 7月10日 | 9月10日 | 公式の供用期間のページに記載なし |
- 山頂のお鉢巡り(火口の周りの道)は、7月10日から9月10日までの供用です。
- 吉田ルートの五合目の救護所は、7月1日から9月11日までです。
- マイカー規制の期間中は、五合目まで、シャトルバスなどに乗り換える必要があります。
出典:富士登山オフィシャルサイト「各施設の供用期間」・東洋館「2026年 登山ルート 開通日 通行料 登山規制 マイカー通行規制」
開山期間以外は登れない
開山期間以外の富士山は、道路法にもとづき登山道が通行禁止です。違反すると、拘禁刑または罰金の対象になります。11月〜4月は気温がマイナス10℃以下、風が平均でも15m以上になる極寒の世界で、救護所・トイレ・山小屋も閉まっています。「夏以外は登らない」と決めておきます。(出典:富士登山オフィシャルサイト「開山期以外の富士山」)
費用と予約:登る前に済ませること
山梨県側の吉田ルートでは「通行料」、静岡県側の富士宮・須走・御殿場ルートでは「入山料」。どちらも1人1回。山小屋の宿泊料金には含まれません。
事前予約3,000人、当日予約1,000人。山小屋の宿泊者は、この上限や時間帯の規制の対象外です(通行料は必要)。
1回ごと。小銭が原則なので、100円玉を多めに用意します(富士宮口山頂のトイレは、PayPayなども使えます)。
吉田ルートの予約(通行の予約・登録)
- 2026年は、2026年4月27日 13:00から予約を受け付けました。支払いは、クレジットカードやQR決済です。
- 公式サイトの説明では、通行の予約・登録は「山小屋の予約ではありません」。山小屋は、別に予約します。
山小屋は予約制
吉田ルートの山小屋は予約制です。入山できない時間帯(14:00〜翌3:00)でも、山小屋の宿泊予約があれば入山できます。夏休みの週末は予約が埋まりやすいため、日程が決まったら、早めに山小屋へ直接連絡します。山小屋の料金・営業日は、小屋ごとに違うため、各山小屋の公式情報で確認してください。
そのほかにかかるもの
- 交通費:マイカー規制の期間は、五合目までのバスなどの運賃が別にかかります。
- 装備:靴・雨具・防寒着・ヘッドライトなどが必要です(後の「持ち物」の節)。
日帰りはできる? 「弾丸登山」は避ける
吉田ルートの標準コースタイムは、登り6時間10分、下り3時間35分で、合計9時間45分です(休憩は含みません)。休憩や混雑の待ち時間を入れると、実際は、さらに長くなります。
入山が規制されているのは、14:00〜翌3:00です(山小屋の宿泊者を除く)。日帰り登山そのものが禁止されているわけではありませんが、夜通し歩いて山頂を目指す「弾丸登山」は、公式サイトが、高山病や低体温症の原因になると説明し、規制している行動です。
はじめての富士山は、山小屋に泊まって、時間に余裕を持つ「1泊2日」を基本に考えるのが、安全です。山小屋に泊まれば、体を高度に慣らす時間も取れ、ご来光に合わせた行程も組みやすくなります。
1泊2日の計画の組み方(吉田ルートの例)
- 1日目
入山できない時間帯(14:00〜翌3:00)より前に五合目へ着き、1時間ほど休んで体を慣らしてから歩き始める。山小屋に着いたら、食事をとり、軽く歩いてから、休む。
- 2日目
ご来光を見るなら、夜明け前に山小屋を出る。山頂では、天気と体調を見て、無理をしない。下りは、標準で約3時間35分。気が緩みやすいため、時間に余裕を持たせる。
山小屋の位置が高いほど、2日目の登りは短くなります。どこに泊まるかは、体力と、山小屋の空きで決めます。
高山病を防ぐには
富士山の山頂付近は、気圧が平地の約3分の2ほどになり、空気が薄くなります。頭痛・倦怠感・吐き気・食欲不振などが出る「高山病」は、体力のある人でも起こります。山岳医が監修した記事などにもとづく、一般的な対策は次のとおりです。
- 五合目で1時間以上、体を慣らす。着いてすぐに歩き出さず、ここで食事や水分補給をします。
- ゆっくり登り、深呼吸を意識する。息が上がる速さで登ると、症状が出やすくなります。
- こまめに水分をとる。脱水は、高山病を悪化させます。
- 山小屋に着いたら、食事をして、軽く歩いてから休む。
- 症状が重いときは、標高を下げる。症状がひどい場合は、下山しないと治りません。
酸素缶は、医学的には治療の効果がなく、「気休め」程度とされています(山岳医の説明)。持っていく場合も、これに頼らず、ゆっくり登ることを優先します。以上は一般的な情報であり、医療上の判断ではありません。持病のある方は、事前に医師に相談してください。出典:BE-PAL「山岳医監修!富士登山でリタイヤしたくない人は、高山病対策を!」
山頂は寒い:気温の目安と服装
標高が100m上がるごとに、気温は、標準でおよそ0.65℃下がります。吉田ルートの五合目(2,305m)から山頂(3,776m)までの標高差は約1,471m です。五合目の気温が15℃、風速10m/sの例では、次のようになります(目安)。
五合目が暖かくても、山頂では、真冬に近い寒さになることがあります。雨に濡れると、さらに体温を奪われます。公式サイトは、登山靴・雨具の上下・防寒着を、必須の装備としています。天候が急変しやすいため、防寒に加えて、着替えが雨で濡れないよう、防水対策をしておくとよい、とも説明しています。
富士山の持ち物リスト
持ち物の全体は、装備チェックリスト(山小屋に泊まる・夏)で確認できます。ここでは、富士山で特に重要なものを挙げます。当サイトで取り上げた商品は、記事へのリンクと、Amazonのページへのリンクを付けています。
トイレのチップ(100円〜300円程度)に使う。
公式サイトは、地図の持参を勧めている。電波が入りにくい場所もある。
「Amazonで見る」「Amazonで探す」は、Amazon アソシエイトのリンクです。価格や在庫は変わるため、購入前に、商品ページで確認してください。
ご来光・雷・トイレ:当日の注意
山頂直下の登山道は、日の出前を中心に、渋滞することが多くあります。ゆとりのある行程を組みます。(公式FAQ)
夏の富士山では、雷雲がよく発生します。隠れる場所がなく、非常に危険です。雷鳴を聞いたら、すぐに安全な場所へ避難します。(公式FAQ)
登山中の用便は、登山道や山小屋のトイレを使います。チップ(100円〜300円程度)が必要です。(公式FAQ)
富士山は活火山です。出発前に、富士登山オフィシャルサイト「警報・火山情報」で、警報・火山情報を確かめます。
よくある質問
富士山は初心者でも登れますか?
登山道は整備されていますが、標高差が約1,320〜2,300m、標準コースタイムが登り5時間10分〜8時間40分ある、体力の要る山です。標高が高く、高山病や寒さのリスクもあります。はじめての方は、山小屋に泊まる余裕のある計画にし、日ごろから、長く歩く練習をしておくと安心です。
富士山に日帰りで登れますか?
入山できる時間帯(3:00〜14:00)に出発すれば、日帰りの計画は可能です。ただし、吉田ルートで標準コースタイムの合計が9時間45分あり、体力と高度への慣れが必要です。夜通し歩く弾丸登山は、公式サイトが、高山病や低体温症につながるとして規制しています。
予約は必要ですか?
吉田ルートは、通行の予約・登録が必要です(山小屋に泊まる場合は、山小屋の予約が別に必要)。静岡県側の3ルートも、入山料4,000円が必要です。ルートごとの手続きは、公式サイトで確認してください。
開山期間以外でも登れますか?
登れません。開山期間以外は、登山道が通行禁止で、違反すると罰則の対象になります。気象条件も極めて厳しくなります。
高山病になったらどうすればいいですか?
軽い症状なら、休んで、深呼吸と水分補給をします。症状がひどいときは、標高を下げる(下山する)しかありません。無理をせず、山小屋のスタッフや、周りの人に助けを求めます。
まとめ
- 富士山は、夏の約2か月だけ登れる山。2026年は、7月1日(吉田・須走)/7月10日(富士宮・御殿場)〜9月10日でした。
- 通行料(入山料)は1人1回4,000円。吉田ルートは予約・登録が必要で、山小屋は予約制。
- 初めてなら、山小屋が多い吉田ルートが選びやすい。山小屋に泊まる1泊2日が基本で、五合目で1時間ほど体を慣らす。
- 山頂は、五合目より10℃近く冷える。登山靴・雨具の上下・防寒着は必須。
次のシーズンの日程・料金・規制は、富士登山オフィシャルサイトで必ず確認してください。装備を選ぶときは、登山装備の選び方ガイド一覧や、日本百名山の記事も参考になります。
あわせて読みたい:近くの山の登山ガイド
神奈川県|大倉から塔ノ岳(登り):3時間30分
静岡県|周回の総時間:4時間45分
山梨県|周回の目安:約3時間25分〜4時間30分
山梨県|登り(瑞牆山荘から):2時間50分
長野県・山梨県|大弛峠の標高:2,365m
埼玉県・長野県・山梨県|毛木平の往復:7時間20分
日本百名山の登山ガイド一覧(100山)・日本百名山の記事一覧・登山装備の選び方ガイド
参考にした情報
- 富士登山オフィシャルサイト:各登山口と登山ルートについて(ルートの標高・距離・コースタイム)
- 富士登山オフィシャルサイト:富士登山の前に必ず知っておくこと(入山できない時間帯・通行料・必須装備)
- 富士登山オフィシャルサイト:各施設の供用期間(2026年の日程)
- 富士登山オフィシャルサイト:よくあるご質問(チップ・ご来光・雷・持ち物)
- 富士登山オフィシャルサイト:開山期以外の富士山
- YAMAP MAGAZINE:【2026年版】富士山吉田ルートの規制・通行料、予約システムの詳細(吉田ルートの予約・上限人数)
- BE-PAL:山岳医監修!富士登山でリタイヤしたくない人は、高山病対策を!
このページは、公式サイトなどの公開情報をもとに、2026年10月6日時点でまとめました。当サイトは、紹介している商品を実際に使った検証は行っていません。詳しくは運営者情報をご覧ください。
